宝塚歌劇の星組新人公演「ミュージカル こうもり」が5日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、新人最終年の7年目、紫藤(しどう)りゅうが初主演を果たした。

 「とにかく楽しもうと思い、そして結果、楽しんで(舞台を)できた」と言い、自己採点には「70点です」と話した。

 終演後のあいさつは涙で声が震えていたが、幕が閉まった後の取材会では笑顔も見せて振り返った。

 今作はヨハン・シュトラウス2世の傑作をもとにしたオペレッタ。本公演では歌、演技、ダンスと3拍子そろったトップスター北翔海莉(ほくしょう・かいり)が圧巻のステージを見せており、紫藤は北翔から「何もかもを学びたい」と“弟子入り”して、初のセンターに臨んだ。

 この日、北翔からは「まずは何よりもリラックスして」と言われたといい、本番直前に腕などをブラブラさせ、全身の力を抜くことに努めたという。174センチの舞台映えする長身。力みが消え、課題だと話していた歌も声が伸びていた。

 また、ヒロインを務めた真彩希帆(まあや・きほ)は、紫藤より2学年下、5年目に入った娘役で、すでに新人公演以外にバウ公演のヒロイン経験もある。

 抜群の歌唱力で、見事に喜歌劇をこなしたが、自らは「まだまだ言葉の聞き取りやすさ、表現力が足りないと分かった。磨いていきたい。私も紫藤さんと同じ(自己採点は)70点です」と話していた。

 東京宝塚劇場の新人公演は5月26日。