新潟発の女性アイドル3人組Negicco(ねぎっこ)が30日、東京・NHKホールで単独コンサートを行った。

 結成2年目の04年、NHKの音楽番組「ポップジャム」で立った舞台で、昨年は11年ぶりに「MUSIC JAPAN」の収録で2度、同ホールに立っていた。思い出の舞台での単独公演は初めてで、Kaede(24)は「同じメンバーでここに立てるとは思ってなかった。14年目に入って、こんなに集まってもらえるグループになれたことが誇り」と感慨深げだった。両親を客席に招待したMegu(27)は「最初から涙が止まらなかった」と明かした。

 1曲目は、04年の「ポップジャム」でも歌ったデビュー曲「恋するねぎっ娘」だった。ステージ後方の画面には、4人編成だった当時の出演映像が映されると、昔を知るファンがしみじみ見詰めていた。さらに「ネギさま!Bravo☆」「トキメキ★マイドリーム」など、過去の定番ナンバーで畳みかけた。リーダーNao☆(28)は「デビュー当時の曲をやらせていただいたのは、ここがNHKホールだから」と説明した。

 衣装は白地に緑、ピンクと、デビュー当時をほうふつとさせるテニスウエア風ルックだったが、Nao☆は「衣装も当時をイメージした『昭和カラー』です」となぞの発言。MeguとKaedeは「昭和?」と顔を見合わせて笑った。Nao☆はMCで座ろうとするファンを「起立! 気をつけ! 礼! 着席!」と振り回すなど、天然ワールド全開だった。

 「懐メロ」コーナーに続き、ねぎっこの公演の代名詞にもなった8人編成のバンド「NEGiBAND(ネギバンド)」が登場した。軽快な演奏をバックに、最新アルバム「ティー・フォー・スリー」の代表曲「土曜の夜は」をはじめ、「光のシュプール」「サンシャイン日本海」など26曲を披露した。アコースティックコーナーも設け、平均年齢26・3歳の大人アイドルにしか出せない雰囲気で魅了した。

 今や地方アイドルの草分け的存在だが、長く地元新潟の小さなイベントを中心に、地道に活動してきた。今年で結成14年目。所属していた芸能スクールの閉鎖、メンバー脱退など、紆余(うよ)曲折とともにあった。3人とも卒業を考えた時期があったが、Kaedeが「私たちはまだねぎっことして何も残していない」と言うように、何度も思いとどまった。一方で、この日のアンコール曲「ねぇバーディア」では、結成メンバーでただ1人、別の夢を追いかけて脱退したMikuに、3人が「ねぇMikuちゃん、覚えてる? あの『ポップジャム』の日の出来事」と粋なメッセージを送った。Nao☆は「Mikuちゃんも大きい舞台に憧れていた大事な仲間だった。ねぎっこがNHKホールに立てることを、すごく喜んでくれました」と、かつての仲間の近況を報告した。

 昨年8月の日比谷野音公演で、Nao☆が「来年は日本武道館に立ちたい」と宣言した。この日は3人を代表し、Nao☆が「(武道館)は勢いで立つものところではないと、1年の活動を通して実感しました。今まで1歩ずつ、夢をかなえてきた。これからも1歩ずつ歩いていきたい」と、年内の武道館公演を事実上、断念することを発表し、悔し涙を流した。

 公演終了後には、来年新春に私立恵比寿中学とのジョイントライブを行うことが発表された。ネギとエビというまさかの食い合わせで刺激し合い、将来の武道館実現へ再スタートを切る。