年明けの宝塚歌劇月組「グランドホテル」新人公演の配役が25日、同歌劇団から発表され、故夏目雅子さんのめい、風間柚乃(かざま・ゆの)が主要キャストに抜てきされた。同作は、劇団では93年に涼風真世の退団公演として初演。風間は、元月組トップの涼風が演じた主人公、オットー・クリンゲラインを演じる。

 風間は14年に宝塚音楽学校を卒業し、100期生として入団。父がプロゴルファーの小達敏昭で、伯母に故夏目雅子さん、義伯母に故田中好子さんがいる。

 音楽学校時代から、卒業公演にあたる文化祭では芝居でセンターに立つなど将来を期待され、入団後は月組に配属されていた。

 「グランドホテル」本公演は、月組新トップ珠城(たまき)りょうの本拠地お披露目として、来年1月1日に宝塚大劇場で開幕する。1928年のベルリンを舞台に、高級ホテルを訪れたフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵、オットー・クリンゲラインら心に闇を抱えた人々が、1日半のうちに繰り広げる人間模様を描いたミュージカルだ。

 89年にトミー・チューン氏の演出・振り付けでブロードウェイで幕を開けた同作は、トニー賞で5部門受賞するなど評価が高く、ロンドンやベルリンでも上演された。男爵、オットーはともに中心人物で、今回の本公演では、主役は男らしさが魅力の珠城が男爵を演じて主演。スリムな人気スター、美弥(みや)るりかがオットーを演じるが、93年の宝塚初演時は当時のトップ涼風がオットー役で主演していた。

 今回の同作新人公演では、7年目で新人公演ラストチャンスだった夢奈瑠音(ゆめな・るね)が男爵を演じ、新人初主演する。

 兵庫・宝塚劇場は来年1月17日、東京宝塚劇場は3月9日。