第59回ブルーリボン賞の各賞が25日、東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)から発表された。大竹しのぶ(59)は「後妻業の女」(鶴橋康夫監督)で主演女優賞を獲得。これまで新人賞、助演女優賞を獲得しており、初の「3冠女優」となった。授賞式は2月8日、東京・霞ケ関のイイノホールで行われる。

 「青春の門」(浦山桐郎監督)で75年度新人賞、「波光きらめく果て」(藤田敏八監督)で86年度助演女優賞を受賞した。今回の主演女優賞で、ブルーリボン3つ目の賞だ。「感慨深いものがありますね」としみじみと喜んだ。

 それぞれの賞を取ったころを振り返った。新人賞を総なめにした時、自分を見失わなかったのは、浦山監督の言葉もあった。「浦山監督が新聞の取材に『あの子は常識人として、普通の人として勉学に励み、生きていける人』と言ってくれたんです。だからきちんと生きていこうと思いました」と振り返った。

 助演女優賞を取った時は、テレビディレクターで元夫の服部晴治さんに「あの演技でもらうのはまだまだ。今年はたまたま」と言われた。真摯(しんし)にやってこられたのは、こうした人々に囲まれていたからだ。

 取材前日、新年会、鶴橋監督の喜寿、大竹の受賞を併せ、「後妻業の女」チームが集まった。「いいチームだなと思いました。監督の力、豊川さんの力も大きかった。やっぱり、いただけたのはたまたまですね」と感謝した。

 同作では大阪を舞台に、何人もの老人をだまし、資産を巻き上げる女を演じた。「怖くてとんでもない話ですが、大阪弁だとユーモアに変えられる。大阪弁ってすごい」。大阪弁は前夫明石家さんま(61)の影響も? と聞くと「(結婚生活の)後半はうるさいな、やだなと思ってたので、それはないですね。…でもちょっとは影響あるかな。じゃあ感謝しよう」と笑った。【小林千穂】

 ◆ブルーリボン賞 50年創設。一般紙が主催も61年脱退。67~74年の中断を経て、東京映画記者会主催で75年に再開。「青空のもとで取材した記者が選出する賞」が賞名の由来で、賞状には青いリボンが巻かれる。副賞はモンブランの万年筆。