歌手五木ひろし(69)が、今月20日に開業した東京・銀座の最大規模商業施設「GINZA SIX」で初の能楽堂コンサートを行うことが25日、分かった。

 6月21日に、施設地下に開場した観世能楽堂で「和楽器と奏でる日本のこころ」と題し、琴や尺八など和楽器とコラボレーションする。「53年の歌手人生で初めて能楽堂でやる。観世能楽堂に歌手が立つのも初めて。すごくやりがいがある」と気合を入れた。

 五木はこの日、都内で、02年に自ら設立したレコード会社「ファイブズエンタテインメント」の創立15周年感謝の集いを開催した。「この15年、新人になったつもりで必死にやってきた。事務所代表でプロデューサー、そして歌手としてすべての責任が自分。1曲1曲に悔いはない」と胸を張った。

 4度の改名をした苦労人が実力派歌手に成長するまでには多くの支えがあった。今年2月に死去した作曲家船村徹さん(享年84)もその1人。五木が売れる前から目をかけ「ファイブズ-」としての第1弾シングル曲「傘ん中」も手掛けてくれた。船村さんには「ご恩がある」と何度も繰り返し、佳子夫人が激励のあいさつをした際は、目を真っ赤にしながら感謝の思いで聞き入った。

 今日26日には船村さん作曲の「わすれ宿/男の友情」を追悼の思いを込めて発売する。それぞれ38年前と60年前にできた曲だ。「船村メロディーは古くなっていない。良い歌は年を取らない」。71年から46年連続で紅白出場中の五木もまた、色あせることなく第一線を走り続けている。【松本久】