元女優の高樹沙耶さんが、テレビ朝日系ドラマ「相棒」に登場して物議をかもしている薬物依存症の女性キャラクター「シャブ山シャブ子」をめぐる議論に言及し、「日本の薬物に関する向き合い方は先進国と言い難い」と批判した。

女優の江藤あやが演じた同キャラクターは7日放送の「相棒 season17」の第4話に登場。目の焦点が合っていない異様な雰囲気の女性で、日中の公園で電話中だった生活安全部の刑事をハンマーでいきなり襲撃して殺害して奇声をあげるなど、発狂したような常軌を逸した言動で視聴者に強烈なインパクトを与えた。

ネット上では「迫真の演技」などと大きな話題になったが、一方では依存症の治療に関わる関係者などからは、実際の薬物依存症者の言動からかけ離れているとの反論も。「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子氏はツイッターで「こんな薬物依存症者はいない。間違った印象を植えつけるし、薬物依存症者に対する人権侵害」と非難した。

賛否を呼んでいるシャブ山シャブ子騒動に、16年に大麻取締法違反(所持)の罪に問われ、懲役1年(執行猶予3年)の判決を受けた高樹さんは13日、ツイッターで言及。「話題なので一言 ドラマや映画はあくまでフィクションなので誇張を悪として俳優や製作者を責めるのもどうかと思いますが」とした上で、「情報番組や“ダメ絶対だめキャンペーン”での大麻についての報道は、病に苦しみ大麻の真実を知った人からしたら大罪だ。そして日本の薬物に関する向き合い方は先進国と言い難い」と私見を述べた。