日本テレビの人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」(日曜午後7時58分)の「祭り」企画に、再び“やらせ疑惑”が持ち上がった。15日発売の週刊文春は、宮川大輔(46)らが出演した「カリフラワー祭りinタイ」(昨年2月放送)で、現地関係者への取材を通じて「祭り」は存在しないと報じた。

問題とされたのは、17年2月12日に「イッテQ!10周年記念」の特番として放送され、宮川とNEWS手越祐也(31)が出演した「奇祭カリフラワー祭り」として扱ったもの。番組は「五穀豊穣(ほうじょう)を願う村人たちの祭り」と紹介。二人三脚で泥沼を駆け回り、20キロのカリフラワーを収穫するスピードを競うというものだった。

しかし、週刊文春は、現地の村長の証言として「当日は年に1度のこどもの日で、あのゲームは収穫を祝うものではありません」と伝えた。当日の参加者には、賞金も払われたという。

同局広報部は週刊文春の報道を受け、日刊スポーツの取材に「当番組の『祭り』企画において、番組の意向でコーディネート会社が主催者に提案したり、実質的な主催者となってイベントとして開催したケースがありました。中には場所や時期を変更して開催したものもありました」と報道を認める見解を示した。

また、番組がコーディネート会社に支払っている撮影経費の中から、開催費用や賞金、参加費、協力費などが支払われていることも認め、「コーディネート会社との長年にわたる協力関係に甘え、企画についての確認が不十分なまま放送に至ったことについて、当社に責任があると考えております。当番組が、イベント、催し物、コンテスト、愛好家が集う小さなゲームに至るまで、『祭り』企画として扱ってきたことを、視聴者のみなさまに正しくお伝えできていなかった点についても反省しております」と文書で回答。一方で同局広報部は「やらせとの認識はない」とも答えた。

前週に週刊文春が第1弾として報じた今年5月20日放送のラオスでの「橋祭り」をめぐっては、同局側は「この会場で初めての開催であった『橋祭り』を、放送では毎年行われているかのような、誤解を招く表現となりました」と一部謝罪した。

局内関係者からは「長くやっていると感覚がまひしてくるし、他に何か面白いものがないかと探していく中で、正しく判断できなくなってしまっていたのでは」との声も上がる。

「橋祭り」については、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が、同局に対し報告書の提出を求めており、今後の対応が待たれる。