昨今、大人数のアイドルグループやダンス&ボーカルグループが増加している印象だが、歌番組などに出演すると、一般視聴者からは「人数が多すぎて、とても覚えられない」という意見もある。

所属事務所のマネジメントや番組サイドの意向などで、人数を増やさざるを得ないケース・バイ・ケースではあるが、「人数を絞った」ほうが、結果的にいい場合もあり得る。先日、1つの好例があった。

秋元康氏が手がける劇団4ドル50セントが、今月12日放送のフジテレビ系特番「FNS歌謡祭」に出演した。俳優山崎育三郎(32)とコラボレーションし、山崎の楽曲「I LAND」をパフォーマンスした。

この日、登場した劇団員は最終的に25人だった。ただ、楽曲披露中ほとんどの時間は、福島雪菜(20)前田悠雅(20)本西彩希帆(20)ら、選抜された8人のみが出演していた。必然的に、表情やダンスの様子がカメラに映し出される時間が長くなった。1人あたりの「密度」が濃くなり、谷口愛祐美(20)が元欅坂46の志田愛佳さん(20)に似ているなどと、インターネット上で話題になった。

劇団4ドル50セントは、今年7月の同局系「FNSうたの夏まつり」では、全劇団員28人が、ミュージカルメドレーの「グレイテスト・ショーマン」などに出演していた。大人数ならではの視覚的インパクトはあったが、同時に大人数が登場していたため、特定の個人がフィーチャーされたような話題はなく、「ばらけて」しまっていた感がある。

もちろん、演出上スケールの大きさを出したい場合など、あえて100人以上を1度にステージにあげる番組もあるし、大人数での出演が決して悪いわけではない。だが、アイドルグループなどが20~30人で歌番組に出ることも増えてきた中で、一般視聴者からすれば一種の「飽和状態」だ。たとえ所属事務所サイドが決めた大人数の「選抜メンバー」があったとしても、番組サイドがさらにそこから選抜して人数を減らす…。そういった例がもっと出てきてもいいと感じる。