菅義偉首相が3日、次期総裁選への不出馬を表明し、テレビ各局は昼前からレギュラー番組を中断し、一斉に伝えた。他局が臨時ニュース一色の時もアニメや温泉番組を通常放送する独自路線でおなじみのテレビ東京も、15分にわたってスタジオ特番を組むなど、首相退陣のインパクトの大きさをうかがわせた。

昼前、他局が一斉に臨時ニュースに切り替えた時は字幕速報だけの対応だったが、菅首相の会見を前にした午後1時から、「昼めし旅」を中断してスタジオ特番に切り替えた。末武里佳子アナウンサーと官邸キャップの篠原裕明記者が、菅首相の会見の様子や、今後の政局などについて解説した。要点は、篠原記者が手書きでフリップにまとめた。

湾岸戦争開戦時に「ムーミン」、参院選当日に「男子バレーボール」、米同時多発テロ発生時に温泉番組など、テレ東は大ニュースの際も通常番組を放送する独自路線をとることが多い。18年の自民党総裁選開票時も、洋画「マッドマックス2」を放送して話題になっている。

この日、NHKは午前11時49分にパラリンピック中継を中断して臨時ニュースを伝え、午後1時15分までスタジオ特番を放送。テレビ朝日は「ワイド!スクランブル」、TBSは「ひるおび!」、フジテレビは「ニュースデイズ」「バイキング」の中でそれぞれ速報し、詳しく伝えた。日本テレビは「ヒルナンデス!」を中断して臨時ニュースを伝えている。