萩本欽一さんとのコンビ「コント55号」で国民的な人気を集めたコメディアンで俳優の坂上二郎(さかがみ・じろう)さんが10日午前9時40分、脳梗塞のため栃木県の病院で死去した。76歳。鹿児島県出身。通夜・告別式は行わず、近親者のみで家族葬を行う。

 2003年に脳梗塞を発症。リハビリを続けながら舞台などに一時復帰したが、昨年8月に自宅で倒れ、入院していた。

 中学卒業後上京し、職を転々としながら歌手を志した。歌手青木光一さんの付き人をするうち、歌謡ショーで漫才や司会を担当。東京・浅草で知り合った萩本さんと1966年にコント55号を結成、テレビ出演で注目を集めた。

 舞台いっぱいに跳びはね、走り回るエネルギッシュなコントが特徴で、萩本さんの絶妙なツッコミに、坂上さんがうろたえるさまが新しい笑いを生んだ。

 69年に始まった「コント55号!裏番組をブッ飛ばせ!!」では、じゃんけんに負けると服を脱ぐ「野球拳」が人気に。低俗番組と批判を浴びたが、大ブームを巻き起こした。「飛びます、飛びます」などの流行語も生み、コント55号の映画も製作された。

 70年代からは俳優としても活躍。テレビドラマ「荒野の素浪人」「夜明けの刑事」など人情味あふれる演技で新境地を開いた。クイズ番組「ぴったしカン・カン」にも萩本さんと長く出演した。

 主な出演作は、映画「漂流」「天城越え」、NHK連続テレビ小説「ハイカラさん」など。