新国立劇場(東京都)と国立劇場おきなわ(沖縄県)の運営の在り方を議論していた文化庁の検討会は29日、日本芸術文化振興会がそれぞれの運営財団に運営を委託する現行の仕組みを維持した上で、企業からの寄付金確保などの業務改善に努めるよう求める提言をまとめた。

 政府の行政刷新会議の事業仕分けで、両劇場の運営に無駄があるなどの指摘があり、委託による運営の是非を検討していた。

 検討会は、振興会の直営、国から財団への直接委託など複数の運営方法を比較。現行方式以外では、企業からの寄付金減少や国費投入の増大、公演の質の低下などの恐れがあると指摘し、財団への委託を続けるべきだと結論付けた。

 公演内容の充実など課題は、運営体制が直接の原因ではないとして、振興会と財団が役割分担した上で改善するよう要請。国立劇場おきなわについては、県や地元経済界から一層の協力や支援を得る必要があるとした。