10年に死去した劇作家、演出家つかこうへいさん(享年62)の代表作「熱海殺人事件」(2月2日初日)の公開稽古が31日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで行われた。

 今年は初公演から40周年の節目で、キャスト4人の平均年齢は26・8歳と若返った。EXILEのパフォーマーNAOKI(28)が容疑者役で、つか作品に初出演。「舞台には4人しか乗りませんが、40年分の歴史と、関わってきた人の思いをつなぎたい」と抱負を語った。演出を手掛けた岡村俊一氏は「かっこいいダンスと、あか抜けない田舎者という役柄のギャップが、NAOKIさんのキャラクターにピッタリ」と、起用の理由を説明した。

 主演の馬場徹(24)は、つかさんの作品「飛龍伝2010ラストプリンセス」のオーディションを受けた際、緊張のあまり過呼吸になってしまったという。「逆にそれが良かったのか、『じゃあお前、使ってやるよ』と言われました」。初日が近づくにつれてつかさんの体調が悪化し、稽古場で会うことは少なくなったが、馬場は「電話やファクスで演出されたりしていましたね」と当時を懐かしんでいた。