小田和正(65)が15日、初の東北限定ツアーを宮城・仙台サンプラザホールでスタートさせた。「東北に音楽と桜を届けたい」という思いから実現させた自身初の地域限定ツアー。東日本大震災の被災者も多く駆けつけた会場で、復興を願い制作した「その日が来るまで」「ラブ・ストーリーは突然に」「眠れぬ夜」などを披露した。「戻って参りました!」という第一声で始まった公演は、約2時間30分に及んだ。

 40年以上もライブを重ねてきた小田でも、特別な思いがあった。オープニングのMCで一瞬言葉に詰まった。努めて明るく、メッセージを送り続けたが、ファイナルでは感極まったように天井を見つめた。「一生懸命、気持ちを集めて頑張りました」。

 東北への思いを「歌」で伝えた。「その日が来るまで」は、震災復興を願って書き下ろした曲だ。

 

 <歌詞>

 君が好き

 君が好き

 それを伝えたかったんだ

 遠くから

 ずっと

 君を思ってた…。

 被災地を思い、かみしめるように繰り返した。「地元から始めるのもいかがとは思いましたが、ここから始めると約束していたので」。東北大工学部時代に5年暮らした“第2の故郷”仙台への思いを込めた。

 大震災復興への思いが詰まった東北限定ツアー。日本武道館連続10日間、東京ドームのオフコース解散公演、ソロ最高齢64歳での5大ドーム公演など、音楽シーンの歴史を刻んできた小田にとっても、一地域に限定したツアー開催は初めてだった。「また、すぐに戻ってきちゃうかもしれませんが、温かく見守って下さい」。同ツアーは、宮城、岩手、福島で計6公演で、約1万2000人の動員を予定している。【山田準】