人間国宝・桂米朝一門の落語家、桂雀松(57)が7月31日、大阪天満宮で、10月6日の大阪・サンケイホールブリーゼからスタートする3代目桂文之助襲名興行の成功祈願を行った。昨年12月の襲名発表から約9カ月、生真面目な人柄で知られる雀松は「今のところプレッシャーと喜びが半々ですが、興行初日が近づくにつれ、プレッシャーの方が大きくなると思います」と語った。

 文之助は初代が、初代桂文枝門下の高弟で、2代目は昭和初期まで活躍し、米朝に大ネタ「地獄八景」を伝えたとされる上方落語の大名跡。2代目は京都の「文の助茶屋」を興したことでも知られ、現在も茶店は続く。「マジメで、曲がったことが嫌いな人」と伝わっており、雀松と性格の共通点もあり、83年ぶりに名跡を復活させることになった。

 雀松は、75年に故桂枝雀さんに弟子入り。文化庁芸術祭優秀賞などを受賞した実力派だが、師匠筋の桂ざこば(65)兄弟子の桂南光(61)は「まじめに高座をやる男やけど、生真面目すぎる」と苦笑。ざこばは「昨日もわざわざ、電話かけてきて、よろしくお願いします、と。ほんま、マジメな男や」と律義ぶりに感心した様子。南光は「昔、師匠(枝雀さん)が、頭が大きいから『じゃくまっちゃん』をもじって『あたまっちゃん』言い出して、ずっと『あたまっちゃん』と呼んできたけど、名前変わったらどうしたらええんやろか」と笑わせていた。