講談社は12日までに、10月に発売を予定していたコラムニスト堀井憲一郎さんの著書「桂米朝と上方落語の奇蹟(きせき)」の出版を中止したと発表した。同社は「本の記述に対し、事実と違うと関係者から指摘を受けたため」と説明している。

 人間国宝の上方落語家、桂米朝さん(87)の人生を中心に上方落語についてまとめた本で、10月初めに発売予定だった。

 同社広報室によると、初版5千部が刷り上がっていた9月末、桂さんの関係者から指摘があった。いったん発売を10月中旬に延期したが、最終的に出版中止を決めた。指摘された内容については「明かせない」としている。

 講談社は公式ホームページ上で「発売をお待ちいただいていた読者、書店に謹んでおわびを申し上げる」とコメントした。