6人組アイドルグループ、でんぱ組.inc(以下=でんぱ組)が、初の日本武道館公演を5月6日に開催することが決定した。5日、東京・台場で行われた全国ツアーのエンディングで発表された。

 全国ツアー2日目。ダブルアンコール後に新曲「サクラあっぱれーしょん」を歌唱後、突然、会場が真っ暗になり、後方の大型モニターに「日本武道館公演決定」の文字が映し出された。約2300人ファンからは「ウォーッ」と地響きのような大声援が飛んだ。青や赤などの色とりどりのサイリウムが縦横に大きく振られた。メンバーは泣き崩れて、約1分間誰も言葉が出なかった。

 すると、相沢梨紗が「腰が抜けた…。ここに書いてあるのって本当!?」と、動揺してファンへ事実確認した。古川未鈴は両手で顔を覆いながら「夢ってかなうんだね。いつもみんながいるおかげです。本当にありがとう」。震える声でファンへ感謝した。泣いてばかりのメンバーを見た成瀬瑛美は一喝。「もっと、もっと上を目指さないとダメだよ」と、メンバー全員へ言い聞かせるように伝えた。最後は6人全員で両手をつないで、ファンへ「ありがとうございました」と何度も頭を下げた。

 日本武道館ライブは夢だった。これまで単独公演での最多動員は東京・日比谷野外音楽堂などの3000人前後。08年の結成当時から“世界進出”を視野に入れ、「日本の文化を世界に届ける」をテーマに活動してきた。地道に活動を続け、12年9月の単独ライブで「ファンを日本武道館へ連れていく」と公約。さらに、昨年はフランスで行われた世界最大規模の日本文化博覧会「ジャパンエキスポ」に日本代表として参加するなど、海外7カ国でライブを行った。着実に国内外での活動の幅を広げ、知名度を上げたことで悲願がかなった。

 この日の公演では「W.W.D」など計16曲を披露した。夢眠ねむが、ソロ曲「あのね…実はわたし、夢眠ねむなんだ…ハート」を初披露すると、成瀬から「曲が怖かった」と厳しい意見が飛び、会場が大爆笑となる場面もあった。また、11曲目の「なんてったってシャングリラ」では、きゃりーぱみゅぱみゅ(20)のバックダンサーを務めるテンプラキッズが切れ味のよいダンスを披露した。

 3月の全国ツアー終了まで残り18都市20公演。さらにパワーアップした、でんぱ組.incが5月に念願の夢へ挑戦する。