通算上演800回を迎える宝塚歌劇の花組公演「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」の製作発表が14日、都内で行われ、新トップスターの明日海りおが出席した。

 同作は96年に、一路真輝の退団公演として宝塚で初演。以来、再演が重ねられ、今回の花組公演初日で通算800回目を迎える。

 新トップ明日海は、月組時代の新人公演でも同作の主演経験があり「幸運なことに、エリザベートはこれが3度目。3度目で“とうとう”トート閣下(主演)をやらせていただくことになりました。新生花組の団結力を見せていきたい」。半ば、しゃれにも聞こえるような言い回しで、8代目トートへの意欲を語った。

 歴代スターが演じてきたトートは、死に神の設定。クールな外見ながら内に秘めた情熱、低音から声を響かせて歌い上げる歌唱力が特徴的な役柄だ。

 明日海は「最近、ギャップにはまっておりまして、え?

 と思われるようなサプライズ作戦を練っております。あ、大口をたたいてしまいました…」と笑わせつつ、新トップとしての矜恃をのぞかせた。

 とはいえ、2日前に前トップの蘭寿とむが退団し、新体制はスタートしたばかり。次作の中日劇場公演「ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編-」のけいこはまだ始まっておらず、明日海は「一昨日が千秋楽で、次の(けいこの)集合日もまだですし、今は緊張感と楽しみと両方です」と話した。

 一方、トップ娘役5年目に入り「エリザベート」で退団する蘭乃はなは、月組時代に明日海との共演経験も多く、新人公演で相手役を務めたこともある。「まるで初恋の方に再会したような気分。でも、そうも言っていられないですね。(トップ娘役の)キャリアがあると言っていただくので、一筋縄ではいかないと思いますが、きっちり演じたいと思います」と、気を引き締めていた。

 公演は、兵庫・宝塚大劇場が8月22日~9月22日、東京宝塚劇場が10月11日~11月16日に行われる。