スタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」(米林宏昌監督、19日公開)の完成披露会見が2日、都内で行われた。この日はジブリ史上初のダブルヒロインの声を演じた高月彩良(16)有村架純(21)らキャストとスタッフ10人が浴衣姿で登壇した。

 昨年の「風立ちぬ」で長編アニメーションから引退した宮崎駿監督(73)と、同年に「かぐや姫の物語」を手掛けた高畑勲監督(78)の両監督が携わらない初のジブリ長編。西村義明プロデューサー(36)は「思い出のマーニー」を見た両監督が、感想と米林監督について語ったコメントを明かした。

 宮崎監督

 本当に麻呂(米林監督)は、よく頑張った。米林宏昌という人間が、1足す1は5の(にする)男であるということが分かった。

 高畑監督

 作画の技術も、それ以降の工程についても本当によく頑張って「さすがジブリ」と言わせるものを作った。この作品をもって、米林宏昌監督はジジイ(両監督)が去った後、押しも押されぬジブリのエースであると世間にもてはやされるであろう。それを認めることに私はやぶさかではないし、米林宏昌監督を祝福したい。

 それを聞いた米林監督は「本当にうれしいと思います。ありがとうございます。励みにして全国を回って『思い出のマーニー』を自信を持って売っていきたい」と笑みを浮かべた。

 西村プロデューサーは、完成した作品について「宮崎さんの『風立ちぬ』と高畑さんの『かぐや姫の物語』は、誤解を恐れずに言いますと、おじいちゃんだから作れた映画だと思っています。今回、麻呂さんが作った映画は、12歳の女の子の映画です。麻呂さんもお子さんがいらっしゃいますけど、自分たちが親の世代になって子のことを思った時に、ようやく作ることができた映画。この作品が新しいのは、おじいちゃんではなく親の世代が作ったから。親子で見てもらえる映画になったと思います」と自信を見せた。