スターへの足掛かりとなったヒット曲「柳ケ瀬ブルース」ゆかりの繁華街のためにひと肌ぬごうと、歌手の美川憲一(68)が2日、苦境にあえぐ柳ケ瀬商店街(岐阜市)で無料コンサートを開いた。駆けつけたファンや商店街関係者は、アーケードに響く妖艶な歌声に酔いしれた。

 かつては東海地方で有数の繁華街として知られていた柳ケ瀬商店街だが、大型店舗の撤退が相次ぎ、空き店舗が目立つように。地元有志が今年春、美川に「岐阜に来た際に歌ってほしい」とノーギャラでのコンサートを打診すると、美川も「大丈夫よ」と快諾した。

 美川は「昔と比べて、寂しくなったが、守っていきたい。少しでも柳ケ瀬のために尽くしたい」と話している。

 美川は長野県諏訪市出身。65年にデビューし、翌年に発売した「柳ケ瀬ブルース」が130万枚を超える大ヒットに。その後「さそり座の女」などの曲もヒットし、NHK紅白歌合戦にも出場するようになった。