イラストレーターのマドモアゼルあんな氏(22)が27日、横浜中華街のアートカフェ「東アジア文化都市2014横浜カフェ~ヨコハマサイドステージ~」で開催中の「アンナメローズカフェ」でバイトした。

 店内には、少女漫画に出てきそうな少女や食べ物のイラストが各所にある。レストランチェーン「アンナミラーズ」の制服を着用したマドモアゼル氏は接客に追われた。「自分がデザインしたキャラクターに囲まれて、接客するなんて不思議な感じですが、やりがいはあります」と声を弾ませた。

 ヨコハマサイドステージは日中韓の文化交流事業「東アジア文化都市」の一環で、「食とアート」を通じて3カ国の相互理解を図ることを目的に開業。アンナメローズカフェは今月24日~30日までの期間限定でオープンした。マドモアゼル氏はアンナメローズカフェのプロデューサを務め、店内では自身がデザインしたキャラクター「あんなちゃん」などのグッズを10種類以上限定販売し、メロウソーダなどオリジナルメニュー4種も開発した。

 マドモアゼル氏は小学生の時、少女漫画「東京ミュウミュウ」の影響を受け、「少女漫画のデザイン」に興味を持つようになった。当時、“元祖制服萌えファミレス”として有名だったアンナミラーズの制服に憧れを抱いた。2000年以降、アンナミラーズは飲食店の価格競争の激化により多くが閉店し、現在はウィング高輪店(東京・港区)のみとなった。「一昔前のカワイイ物が大好きで、アンミラで1回はバイトしてみたかったんです。その念願の夢が今日、かないました。制服もそうですが、少女漫画のようなカワイイ文化は日本独特のものなので、ぜひ、中国や韓国の方にも来て頂いて、この空間を体感してもらいたいです」。

 マドモアゼル氏は、東京芸大4年に在学中で日本画を学んでいる。大学では本格派のタッチの絵を描き、自宅では少女漫画のような柔らかタッチの絵を描いている。デザインした商品はネットやイベントで販売している。容姿は女優の杏に似ている。

 マドモアゼル氏のファンで都内の会社員、高橋奈水子さん(23)は開店時刻の午前11時には来店した。「あんなちゃんはあまり表に出てこないから、今日は貴重な時間でした。あんなちゃんのイラストは心が和みますし、女心を理解しています」。店員の山口由布紀さん(26)はマドモアゼル氏について「カワイイ女の子で、年齢のわりに礼儀正しくてビックリしました」と話した。

 ヨコハマサイドステージでは、10月2日夜に二胡演奏家の田宇氏が特別公演を行う。