10日に死去した高倉健さん(享年83)のしのび、東京・練馬区の東映東京撮影所には19日、スタジオ内に献花台が設けられた。高倉さんが東映在籍時の撮影スタッフらが次々と訪れ、名優の突然の死を悼んだ。派手なことを好まなかった高倉さんの思いをくみ、台は「追悼

 高倉健さんありがとう

 東映株式会社」とだけ書かれたシンプルなもの。場内には「鉄道員」(99年)「ホタル」(01年)のサウンドトラックが交互に流されていた。

 両作品で助監督を務めた佐々部清監督(56)や、「昭和残侠伝

 死んで貰います」の助監督だった沢井信一郎監督(78)らも献花に訪れた。佐々部監督は、「鉄道員」のクランクイン前の98年に、打ち合わせで初めて高倉さんに会ったという。「3時間で『はい』の一言しか話せなかった。オーラを感じた俳優さんは、後にも先にも高倉さんだけ」と、存在感に圧倒された初対面を振り返った。

 また「ホタル」の撮影時には、「『佐々部、何を撮るかじゃなく、何のために撮るかだ』と言われた」と明かし、今も心に刻んでいるという。

 隣接する映画館「T・ジョイ大泉」には、一般客らが献花に訪れ、長い列を作っていた。