ペルーからの報道によると、同国のアルバレス文化相は6日、フジテレビのバラエティー番組の撮影で、世界遺産「ナスカの地上絵」に番組スタッフを違法に近づかせたとして、ガイド役のペルー人考古学者を刑事告発する方針だと明らかにした。付近に立ち入った女性ディレクターについても、告発すべきか慎重に検討しているという。

 フジテレビ広報部は「取材は文化省から撮影許可を取得、同省当局者の立ち会いで行われた。当局から問い合わせなどは一切ない」と話している。文化相が言及した考古学者は文化省にも所属しており、取材に立ち会ったとされる当局者と同一人物の可能性がある。

 フジテレビによると、番組は2013年3月に放送された「世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?」。動画投稿サイトに掲載された、同番組の一部とされる映像によると「専門家の許可を得て」と断った上で、女性ディレクターが絵の近くに立ち入っている。

 ペルーのメディアによると、ディレクターらは特別な履物を履いていたため地上絵に害はなかったというが、ハチドリの絵の付近に寝そべるなどの行為があったという。

 地上絵は傷みが激しく、政府は立ち入りを厳しく制限している。ペルー人考古学者は最大で禁錮8年に問われる可能性がある。

 昨年12月には環境保護団体グリーンピースが地上絵付近で活動し足跡を残したとして、ペルー文化省が検察当局に通報した。