総務省は20日、NHKの国際放送の強化策を提言する有識者検討会の中間報告を取りまとめた。

 外国人向けの英語のテレビ国際放送「NHKワールドTV」を充実させることが柱。インターネットを活用した24時間ニュース配信の試験的実施など、放送とネットの連携を提案した。日本の情報発信力の向上を狙う。

 中間報告はNHKワールドTVの役割に関して「日本の重要な政策や国際問題に対する公的見解を正しく伝える」と指摘した。海外で日本の製品やサービスに対する需要が生まれ、来日する外国人観光客が増えるといった経済効果も期待できるとの見通しを示した。

 字幕によってNHKワールドTVの多言語化を進める。ソーシャルメディアの活用も盛り込んだ。総務省は外国人が視聴しやすい環境の整備などを支援する。

 高市早苗総務相はこの日の検討会に出席し、期待される国際放送の内容に関して「歴史認識、領土問題なども含めた正しい情報の発信も当然含まれる」と強調。検討会でNHKの国際放送を検証していく考えを示した。