米紙ニューヨーク・タイムズは4日、1853年の記事中で人名のつづりに間違いがあったとする訂正記事を出した。ことしのアカデミー作品賞を受賞した映画「それでも夜は明ける」の題材となった黒人男性の誘拐、奴隷売買事件を発覚直後に報じた記事。短文投稿サイトのツイッターで指摘され誤りが判明した。

 同紙は事件を1853年1月20日付紙面で詳報したが、被害者で映画の主人公でもある男性ソロモン・ノーサップ(NORTHUP)の名字を見出し、本文とも誤り、余分なRの字や、UとOの取り違えにより「NORTHRUP」「NORTHROP」と記した。

 同紙は1851年以後の全記事をウェブサイト上で検索、閲覧できる。映画の受賞後、科学記者のレベッカ・スクルートさんが記事を読んで誤りを見つけ、ツイートした。ノーサップは1853年に回顧録を出版し、それが映画の直接の原作になった。