東北経由としては、NHK初の女性スポーツキャスター誕生だ。NHK仙台放送局(宮城)の一柳亜矢子アナウンサー(27)が、NHK総合の「ニュースウオッチ9(毎週月~金、午後9~10時)」のスポーツ担当に決まり13日、仙台放送局での放送記者会で会見した。03年の入局以降、秋田と仙台の2局を経験。仙台では、宮城県内の番組「てれまさむね」などのレギュラーを務めた。今月31日放送の「ニュース-」から全国の顔になる。

 全54局に約500人いるNHKアナウンサーの中で、一柳アナが大役を務める。「この枠をやらせてもらえると思わなかった。ビックリした」。これまで全国放送は「サンデースポーツ」の代行で2回、NHKフィギュアのエキシビションでの実況などを経験したが今回、抜てきされたのは脚光を浴びるスポーツキャスターの座。毎週5日の登場で、一気に「全国区アナウンサー」の仲間入りを果たす。

 入局後、秋田、仙台の2局に赴任した。カメラ、リポート、編集を1人でこなした秋田時代が思い出だ。高校野球のラジオ実況もした。「先輩とキャッチボールして球種を教えてもらったり、秋田高や秋田商に行って、ネット裏で実況の練習をした」と言う。

 東北経験者では、初の女性スポーツキャスターだ。仙台放送局の岸本多万重(たまえ)アナウンス担当部長は「ずっとスポーツにかかわりたい、と言い続けていた。現場で見て聞いて伝えるのが面白いと、機会ごとに心に刻んだのでしょう。周囲も喜んでいる」と目を細めた。

 今後は扱う競技も増えるが、一柳アナは高校時代、バレーボール部に所属。スポーツへの情熱がある。「出合っていないスポーツに合うのが一番の楽しみ。一般の方の感覚を忘れず、同じ目線で分かりやすく伝えたい」と、意気込みを語った。【清水智彦】