福山雅治(39)が故郷・長崎のために一肌脱ぐ。5日から長崎県美術館で開幕した写真展「福山雅治

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 STAGE3~残響~」には2日間で国内外から約5000人が集まる盛況。福山は、故郷の活性化を期待して開催を決めただけに強い手応えを感じた。田上富久長崎市長から依頼された旗振り役「長崎ふるさと大使」も快諾。今後も積極的にPRしていくことを約束し、同市長には“改革案”も提案した。

 クールな男が、熱い血をたぎらせている。写真展は同美術館開館以来の人出となった。開幕に合わせ帰郷した福山は「写真を見て何か感じてほしい思いもありますが、長崎に来るきっかけになってくれればそれだけでいい」。期待通り、県外はもちろん、香港や台湾など海外からもファンが集まった。「歴史があって街がきれいで食べ物がおいしい。人も親切。長崎の魅力を肌で感じてもらえればうれしい」。表情は「ふるさと大使」そのものだった。

 ここ数年、帰郷するたび同級生の嘆きを聞いた。「何も変わる感じがせん」。長崎もほかの地方都市と同様、過疎化が進み、産業復興が課題だ。「景気の良しあしは変化があって初めて感じること。それすらないと感じているわけです」。

 歴史があり、異国情緒漂う港町。景観もよく、観光スポットが点在する。ところが山に囲まれ、坂が多くて地形も複雑。観光客が不便を感じる面もある。「ふるさと大使」任命式で懇談した田上市長に率直な思いを伝えた。「各スポットを結ぶ動線をもう少しスムーズにして、娯楽性を持たせたら」。歴史的建造物の保存と商業ビル新設がせめぎ合う現状も「県内にこだわらず、国内外の優秀なクリエーターを招いて、折り合いのつく発想を求める手もありますね」と提案した。

 宮崎県が東国原知事の大胆な発想と行動力で活性化している。福山は「メディアが地方の変ぼうに注目している。僕もエンターテインメントに携わる人間として観光面ならメディアを通して宣伝できる。長崎のみんなも楽しみながら、受け入れる体制をどんどん整備していってほしい」。

 高校卒業後に上京。第一線の歌手、俳優として活躍中だが「東京では、なりたいものになっても走り続けて、戦い続けなきゃならない。蜃気楼(しんきろう)のように追いかけてもつかめないものばかり」と最近思う。「これまで仕事で得たもの、成功例が少しでもふるさとに役立てばいい」。今後もラジオのレギュラー番組などを通して「長崎に来てくんね」と呼び掛ける。