女優の大空真弓(68)の1人息子で元俳優の無職中田元博容疑者(33)が10日までに、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで警視庁赤坂署に逮捕された。同容疑者は02年に覚せい剤を所持、使用したなどとして2度逮捕されている。3度目の過ちに大空はこの日夜、都内で会見し「もう1度、おなかの中に入れたいと思いました。もういっぺん産み直したい。かなわないことですけれど」と話した。

 大空は9日、東京・三鷹市の病院から連行される1人息子を見送った。約4年半前、逮捕状が出ていると警視庁から知らされていて、逮捕は覚悟の上だった。薬物依存を断ち切ろうと3つの病院を移りながら治療を受けさせ、退院日が決まると弁護士を通じて警視庁に連絡した。「今回、これで最後よっていう気持ちで彼を見ていました。(気持ちは)受け止めてくれたと思います」と話した。

 赤坂署の調べでは、中田容疑者は03年9月から10月にかけ、都内または周辺で覚せい剤を使用した疑い。同年10月12日の深夜、「不審者がいる」との110番通報を受けた赤坂署員が、港区南青山の路上で同容疑者を任意同行。尿から覚せい剤反応が出た。その後、治療を開始。治癒したことで今回の逮捕となった。

 同容疑者は02年4月、東京地裁で懲役2年6月、執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡された。同年2月の2度目の逮捕は保釈中で、今度は執行猶予中の容疑。調べに対し「今後はまともになりたい」と供述しているという。

 大空は目に涙を浮かべ、下唇をかみしめながら会見に臨んだが、取り乱すようなことはなく、どちらかというと淡々と言葉をつないだ。「もう1度おなかの中に入れたいと思いました。もういっぺん産み直したい。かなわないことですけれど」「わたしも生まれ変わりたい」。3度目の逮捕の理由を聞かれると「彼の心の奥の中に、2度の逮捕が母親からの通報だったというのが重いと思っています」と話し、うつむいた。

 前回逮捕時に「更生させる」と話していた、82年に離婚した父親の勝呂とはほとんど接触がなかったようで「わたくしとの間には(連絡は)ございません」。3度目の逮捕は入院中の中田容疑者から連絡したという。「けじめをつけて、生まれてきてよかったなという人生を歩んでほしい。母親として後ろ姿を見守ってやりたい」と会見を締めくくった。

 芸能人の子息では、昨年11月、女優三田佳子(66)の次男が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されている。少年時代を含めると、中田容疑者と同じく3度目の逮捕だった。