故阿久悠さん作詞の「ジョニィへの伝言」でデビューした高橋真梨子(59)が、阿久さんの遺作を歌うことが19日、分かった。23日発売の「目を見て語れ

 恋人たちよ」で、一周忌の8月1日に日本テレビ系で放送される「阿久悠物語」の主題歌に抜てきされた。阿久さんの死後、数作が発売されているが、すべてが生前のレコーディング。死去後の制作は今作が初めて。

 生前に5000曲以上を作詞した阿久さんだが「ジョニィ-」には格別の愛着を持っていた。発売された35年前は歌謡曲のテーマは恋への未練や恨みがほとんど。「日本的な湿った感傷を排したい」と、一石を投じたのが「ジョニィ-」や「五番街のマリーへ」で、実験的な意味を持つ会心作だった。

 「一見無個性に見えて実に個性的。透明な感じがするのに色っぽい。違った要素がモナカみたいに何層にも重なっている」。阿久さんがほれ込んだペドロ&カプリシャス時代の高橋に2曲の歌唱を託した。歌手としての“生みの親”阿久さんの歌魂を、今度は高橋が平成の時代に歌い継ぐ。