来年のNHK大河ドラマ「天地人」の収録が19日、山梨県でスタートした。主演で戦国武将直江兼続役を演じる妻夫木聡(27)らがロケに臨んだ。この日の収録は、第5話で、上杉謙信の家臣として使者一行に加わり、岐阜城大広間で姿を見せた織田信長に平伏するシーン。時は1574年、直江は15歳という設定だ。

 薄いあい色の直垂(ひたたれ)を身に着けて妻夫木は現場に足を踏み入れた。緊張した表情で収録をこなし「初回から第5話とは飛んだなあ。年齢を計算しながら演じた。緊張感のあるシーンが撮れた。扮装(ふんそう)すると気持ちが役に乗り移る」と話した。

 主演が決まってからゆかりのある山形県米沢市を訪れ、兼続が実際に使ったかぶとなども見たという。「気持ちから入った。兼続さまにあいさつして当時の雰囲気をつかみたかった」と振り返る。収録は約1年の長丁場。「兼続とともに成長していきたい」。

 また、この日、現場で織田信長役は吉川晃司(43)、羽柴(のちの豊臣)秀吉役は笹野高史(60)と発表された。吉川は大河初出演。85年の紅白でセットを壊すなど大暴れした前歴はあるが、02年に同局のドラマ「真夜中は別の顔」に出ており、それ以来の出演。「以前親不孝した。NHKにまた出られると思わなかった。時代劇は大好きで早くやりたかった。信長の寂しい面と強い面が出せれば」。笹野は「あこがれていた役。親友の柄本(明)に負けない秀吉像を造形したい」と語った。