若手イケメン俳優山本裕典(ゆうすけ=21)が人気劇作家田村孝裕氏作・演出の舞台「躾(しつけ)」(7月9~26日、東京・吉祥寺シアター)で初舞台・初主演することが18日、分かった。フジテレビ系ドラマ「アタシんちの男子」にカリスマモデル役で出演中。若手にイケメン俳優がめじろ押しだけに「負けたくない。これから出てくる新人に1歩リードしていたい」。初舞台でステップアップを狙う。

 主役抜てきの理由はインパクトのある顔だった。「躾」の作・演出の田村氏は昨年の青山円形劇場で田中麗奈、6月の舞台「ゼブラ」で大沢あかねを初舞台で起用しているが、山本には「イケメン俳優に興味がなかったが、山本君だけは顔にほかの若い俳優とは違うインパクトがあり、さまざまな役で記憶に残る演技力があった。イケメン俳優といわれる人の中で山本君しか覚えていない」とほれ込み、起用を決めた。

 母親(岡本麗)のDV(家庭内暴力)の中で育った主人公タミオが家出少女を監禁する。人間の弱さ、優しさをさらけだしながら、生きることを描くサバイバルストーリー。山本は「舞台はやりたかった。想像もつかない難しい役で不安もあるけれど、どんなふうに演じるのか楽しみです」とけいこを心待ちにする。

 数多くのイケメン俳優を生んだJUNONスーパーボーイ・コンテスト出身。05年の準グランプリだが、就職先が内定していた。「母親が応募し合格してしまった。後輩に迷惑をかけるので、会社に謝りに行きました」。翌年「仮面ライダーカブト」でデビュー。「花ざかりの君たち」など学園ドラマが続いた。

 負けず嫌いで、ドラマ「RESCUE」のレスキュー隊員役はスタントなしで臨んだ。「周りに負けたくなかった。腕立て伏せをして鍛えました」。30日公開の映画「ROOKIES~卒業」はニコガク野球部新入生の強打者赤星役で、バッティングセンターに通ってはスイングを研究した。

 山本も初舞台をチャンスととらえている。「友達に対する顔、家族に対する顔、テレビ局での顔、取材での顔など、いろいろな顔を持つようになって本当の自分が分からなくなってきた。舞台を通して自分を変えたいし、新しい顔も見せたい」。

 デビューから3年、順調な歩みを見せてきたが「これから出てくる新人に1歩でもリードしていたい。今が正念場だと思います」。

 [2009年5月19日8時24分

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