歌手山本譲二(59)が24日、長女で歌手を目指すKOTONO(22)と初ライブに臨んだ。この日、埼玉・越谷イオンレイクタウンでミニライブを行った。3曲を歌い終えると「実は、今日は娘が来ています」と明かした。騒然とする会場で2人は、山本の35周年記念曲「俺たちの春」のカップリング曲として制作した「枯葉のバラード」をデュエットした。

 伸びのある歌声を響かせる娘の隣で、山本は「歌詞を覚えていないので」と照れを隠すように、普段は見るはずのない歌詞カードに目をやった。ディナーショーで1度共演したが、3000人ものファンを目の前にしたステージは初めてだ。最後はこらえ切れないように、娘の肩を抱き寄せた。

 ステージを降りると山本は「まさか一緒に歌える日が来るとは」と話した。誕生当時、726グラムの未熟児だった。「脳や目の障害だけでなく、命を失う恐れもあったんですよ」と、振り返った。そんなKOTONOから20歳のときに「やっと自分の好きなことがわかった。歌いたい」と決意を伝えられたのは、何よりの喜びだった。

 山本は「僕より堂々と歌っていた」と褒めながらも「今はレッスン。どんどんお客さまの前で歌ったほうがいい。景色が変われば、歌も変わるから」と、実戦経験を踏ませるため、親心でステージを用意した。

 「気持ち良く歌えました」というKOTONOはレッスンを続けながら正式デビューの日を待つ。満を持して晴れの日を迎えたら真っ先に、親子で師匠・北島三郎に報告するという。

 [2009年5月25日8時2分

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