ジャズピアニスト大西順子(42)が11年ぶりのアルバム「楽興の時」を22日に発売し、本格的に活動を再開する。共作やゲスト参加を除いたアルバム発売は、98年「フラジャイル」以来。31日のビルボードライブ福岡を皮切りに、大阪、東京でコンサートを行う。

 大西は00年春から演奏活動を休止。2年前にライブは行ったが、主立った活動はなかった。関係者は活動休止の理由を「目標に向かって集中していくタイプですが、96年のモントルー・ジャズフェスティバルに出演したころから、次に何を目指せばいいのか、だんだんわからなくなったことが大きな原因」と説明。目標を失い、普通の生活を送る引退状態になったという。05年にジャズ仲間のツアーに参加。演奏する喜びを取り戻し、本格復帰を考えるようになったという。

 復帰作は「煙が目にしみる」などスタンダードナンバーや新たに大西が書き下ろした3曲を盛り込むなど、バラエティー豊かな9曲を収録した。大西は「私にとってはこのアルバムも出したし、今年が本格的な復帰だと思っています。以前から応援してくださるファンの方にも、新しく私の音楽に触れていただく方にも楽しんでいただけるよう、エキサイティングな演奏を続けていきたいと思っています」と話している。

 [2009年7月20日9時9分

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