映画の名脇役として活躍し、バラエティー番組でも人気を博した中村玉緒(本名・奥村玉緒=おくむら・たまお)さんが9日、肺炎のため亡くなった。86歳だった。12日、所属事務所が発表した。通夜は16日、告別式は17日に都内の斎場で執り行われる。女優としては時代劇の娘役スターとして活躍、90年以降は強烈な「天然キャラ」でお茶の間に人気だった。
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逃げずに向き合う人だった。夫勝新太郎さんの死去から半年後、話をうかがう機会があった。テレビ局の楽屋で向き合った。「お手紙読みました。お若いのに私のようなおばさんに興味があるなんて」と笑いながら取材は始まった。
当時バラエティー番組の売れっ子。依頼された仕事は断らず、生活は多忙を極めた。こちらが「聞きにくいことなのですが」と前置きすると、間を置かず「あなたが想像していることは当たっています」。精力的な仕事ぶりは、夫が残した巨額の負債が理由という。「債権者の方たちも好意的で、それに甘えないように頑張っているだけなんですよ」。
おおらかな天然ぶりがお茶の間で人気だった時期。視聴者に借金返済の印象が浮かぶことはプラスにならず、書かれることは“営業妨害”になりかねない。取材依頼の手紙にはきれいごとばかり記したが「今日聞きたかったのは、このことでしょ」とお見通しで、負債との向き合いを丁寧に話してくれた。
数日後「気になさらずお書きください」と連絡までいただいた。数年後にお会いした際も「聞かれたから精いっぱいお答えしただけ。それが大事なんです」と笑った。ちなみに記事は読んでおらず、心配する周囲の反響にも「だってその通りですから」とあっけらかんとしていたという。【松田秀彦】



