初公判で女優酒井法子被告(38)が真摯(しんし)に反省する姿を裁判官に強調できた背景には、3人の後見人の存在があった。当初は証人として出廷する予定だった、酒井被告の育ての親である継母は裁判所に上申書を提出。代わりに、芸能界の育ての親である元所属事務所サンミュージックの相沢正久副社長は(60)は、会社の反対を押し切ってまで情状証人として証言台に立った。このシナリオを書いたとみられる建設会社社長は、出廷する酒井被告を電話で激励したという。
相沢副社長は酒井被告が14歳の時に父親代わりとなって、芸能界を二人三脚で歩んできた。覚せい剤に手を染めた愛娘を「断腸の思いで」解雇し、完全に関係を絶ったはずだった。だが「情の部分を断ち切るのは簡単ではない」と心情を吐露。肺がんの手術をし、術後の経過が思わしくない酒井被告の継母に頼まれて「更生させるために出廷した」と話した。
「法子は優しくて思いやりのある娘さんなんです」。裏切られた恨み節をおくびにも出さない相沢氏。それどころか、高相被告との結婚を機に、仕事に遅刻するなど悪い方向に変化したことを早期に気付けなかったことを「反省している」と口にした。恩人の温かい言葉の数々に、酒井被告はうつむいたまま大粒の涙をあふれさせた。
「これからは、お子さんとお母さん(継母)に安心してもらえるように」。人生の歯車を狂わせたきっかけになった高相被告との決別を訴えて、継母の介護や社会貢献の道を歩むことを勧めた。具体的に介護に関する私大の資料も渡している。
事務所は、契約CMの損害賠償など今回の事件で経済的な損失を被っている。それでも「仕事に関するサポートはできないが、これから彼女が道に迷ったとき、金銭的な物だけでなくできるだけのアドバイスを送りたい」。
酒井被告の芸能界の父はこの日夜、情状証人になった心境を「彼女を見捨てるのは簡単だが何とか立ち直らせたい。違約金などの話は、まずは彼女が立ち直ってから」として、「義を見てせざるは勇なきなり」と答えた。
[2009年10月27日8時55分
紙面から]ソーシャルブックマーク




