亡き祖母和嘉さん(享年83)との思い出を歌う「トイレの神様」が話題となり、大みそかの紅白歌合戦にも初出場するシンガー・ソングライター植村花菜(27)が2日、地元の大阪で凱旋(がいせん)公演を行った。8日前の紅白出場歌手会見のときに「実家に帰って、おばあちゃんの仏壇に報告します」と話した通りに、前日1日に帰省して、手を合わせた。

 超満員の会場は熱気が満ちあふれていた。9分52秒の「トイレ-」をしっとりと歌い上げた植村は観客とも紅白初出場の喜びを分かち合った。「みんなで万歳しよかぁ?

 バンザーイ!!」と、自ら盛り上げて万歳三唱。「子供のころからあこがれてきた舞台で緊張しますが、今夜のようにいつも通りに歌ってこようと思います」と、地元ファンに約束した。

 早くも紅白効果が表れている。同曲は、3月発売のミニアルバムの収録曲で、シングルとしては、紅白出場が決定した先月24日に、ようやくリリースされた。すっかり世間に浸透したタイミングにもかかわらず、オリコン週間チャートでは自身最高の12位。着うた配信は40万ダウンロードを記録して、ランキングは前週(11月17日付)の67位から、8位(同24日付)、4位(12月1日付)と急上昇した。

 1月5日には、北乃きい主演のTBS系新春スペシャルとしてドラマ化が決定した。同4日には、同局で密着ドキュメンタリー番組も放送される。まさに“トイレの神様の紅白特需”だ。植村は「岩下志麻さんがおばあちゃん役をやっていただけるそうで、光栄です。優しいだけじゃなく、頭の良くてかっこいい人だったので、岩下さんとリンクします」と喜んだ。

 「いつもおばあちゃんと一緒にステージに立っているつもり。紅白ももちろん一緒です」。明日4日には、祖母のお墓参りもして、準備万端で年末を迎える。

 [2010年12月3日9時31分

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