21日に乳がんのため亡くなった元キャンディーズでスーちゃんの愛称で親しまれた女優の田中好子さん(享年55)の通夜が24日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。ドラマで母子役で共演した国仲涼子(31)らも田中さんとの思い出を涙ながらに語った。今日25日には同所で葬儀、告別式が営まれる。

 通夜には関係者1600人、ファン800人、計2400人が参列し、田中好子さん(享年55)との別れを惜しんだ。いつも絶やさない笑顔で周囲を魅了してきた田中さんだが、出演作を通して家族のような付き合いになった共演者もいた。特に、01年に放送されNHK連続テレビ小説で沖縄の家族を描いた「ちゅらさん」で共演し、母親役の田中さんに対して娘の恵里(えり)役でヒロインだった国仲のことは、本当の娘のように思っていた。

 参列した国仲が、おえつしながら2人の交流を明かした。「詳しい病名は聞いていませんでしたが、何回かお見舞いに行きました。『えりぃに会いたい』と言ってくださっていると聞きました。(最後の)16日に行った時には、会話は難しかったですが『おかあさん、来たよ』と言うと、分かってくれたのかニコッとしてくれました。『早く元気になって鍋パーティーしますよ』と言うと、笑っていました」。思い出すのはやはり、「えりぃ」と呼んで、ニコニコした笑顔だという。

 夫役の堺正章(64)によると「ちゅらさん」出演者で同窓会を何度も開くなど、共演者同士のつながりが深かったという。堺は「何色にも染まらず、透明感、聡明(そうめい)感を持ち続けた方。もっと生きてほしかった。でも楽になったのかな」と話した。ほかに、息子役のガレッジセールのゴリ、山田孝之ら「ちゅらさん」ファミリーが参列した。