【ロンドン28日】英王室のウィリアム王子(28)とケイト・ミドルトンさん(29)の挙式を控え、ロンドンでは、式後のパレードを見ようと国内外からの観光客があふれた。2人がキスを交わす最高の見せ場になるバッキンガム宮殿周辺は、沿道に1キロ以上、徹夜組のテント村ができた。式が行われるウェストミンスター寺院前でも、リハーサルで訪れたケイトさんの車が出ると、大歓声が起きた。ケイトさんのドレスは式当日まで極秘にされている。式は今日29日午前11時(日本時間同日午後7時)にスタートする。

 式前日、パレードが行われるロンドン市内のルートは、早朝から人波でごった返した。終着点のバッキンガム宮殿では、2人がキスを交わす予定であることから、その様子を見ようとイスやテントで場所取りをした徹夜組が続出。「ザ・マル」と呼ばれる宮殿へと続く並木道には、1キロ以上、テントの列が続いた。

 2人が式を挙げるウェストミンスター寺院前でも、最終リハーサルのためケイトさんが乗ったとみられる車が寺院に入ると、警察が歩行者の動きを規制し、歩道は身動きが取れない状態に。こちらの「テント村」も約50メートルに上った。

 英政府は、29日までに世界中から約60万人が訪れるとみているが、前日までに比べて人の数が激増。特にパレードがよく見えるポイントでは、テントや寝袋で場所取りの争奪戦が激しく、ベストポイントはほとんど徹夜組で埋め尽くされた。27日に到着した主婦(54)は「待ち遠しい。とにかくウィリアムとケイトを間近で見たい」。25日から陣取り、疲れて熟睡している人や、ビールで乾杯するグループもいる。

 徹夜組に「何を一番見てみたいか」と尋ねると、女性を中心に「ケイトのドレスが楽しみ。まだ分からないから」という回答が多かった。王室は今回、2人の結婚専用ウェブサイトを開設。進行表や招待客名を積極的に公開したが、ドレスだけは極秘だ。「アレキサンダー・マックイーン」のデザイナー、サラ・バートンさん、ケイトさんと親しいダニエラ・イッサ・ヘラエルさんがデザイナーに浮上しているが、ドレスは、ケイトさん一家の宿泊先のザ・ゴーリングホテルで厳重に管理されている。この日の同ホテルは一家の貸し切りで、入り口も盗撮を阻むために幕で覆われた。

 一方、当事者の2人は周囲を驚かせるリラックスぶりをみせた。王子は27日、リハーサルに参加しながらも、市内で友人とサッカーに興じた。ケイトさんもラフなジーンズ姿でリハーサルに参加。28日はケイトさんだけがリハーサルに参加した。ドレスは、29日午前10時(日本時間午後6時)すぎ、ザ・ゴーリングホテルを出たところでお披露目され、ウェブサイトでも発表される。関係者は「挙式当日に驚かされることはまだあるかもしれない」と期待を示す。ケイトさんのドレスは、「新しい王室」を目指す2人の第1歩になる。