都内の自宅で12日に自殺したタレント上原美優さん(24)は09年5月に出版した自伝的著書「10人兄弟貧乏アイドル☆

 私、イケナイ少女だったんでしょうか?」の中で、壮絶な半生を告白していた。中学生時代、環境に疲れ首つり自殺を考えたり、上京後は彼氏と破局し自殺未遂。鹿児島の高校中退後には暴走族に入りケンカの日々を送り、東京ではキャバクラで働いたという。「過去」を赤裸々に明かした同書では「これから新たに出発します」と書いていた。

 上原さんは父が55歳、母が43歳の時、地元種子島のパチンコ店の駐車場で生まれた。10人きょうだいの末っ子。造園業を営む父のもとで育ち、きょうだいげんかに勝つため頭突きを鍛えたり、野草や花を食べて過ごしたという。同書によると、母がチェーンソーを振り回して夫婦げんかするような環境の中、テレビを見る時だけはみなが笑顔だったことから、幼少時から「テレビに出る。アイドルになる」と夢を周囲に語っていたという。

 中2の時、そうした状況に疲れロープで首つり自殺することを考え、友人に「ごめんなさい」という遺書メールを送るまで思い詰めたが、実行しなかった。

 親にも言わず、鹿児島市内の高校に入学。学費も自分で稼いだが、「普通の女子高生」との会話になじめず不登校気味になった。ある時、複数の男に車で連れ去られて暴行された体験が決定的となり、高校を中退。街で女子高生にケンカをふっかけ、レディース(女暴走族)に入った。同居した男性が浮気したため、ビール瓶で殺そうとしたこともあったという。

 姉から呼ばれたことがきっかけで、17歳で上京。夢だった芸能界入りのため今の事務所に写真入りメールを送り、合格した。しかし家族に生じた金銭問題を助けるためキャバクラで働き始めてから、彼との関係が悪化。約2年半の交際後別れを告げられ、睡眠薬などを大量にのんで自殺未遂したという。当時の心境を「死んだら誰かが泣いてくれるかな…寂しさはついに私をそこまで追いつめた」と書いた。

 その後家族や命の大切さに気付き芸能活動を再開。「10人兄弟貧乏アイドル」としてブレークした。同書の最後の方では「本当に、生きててよかった」と書き、母に「生んでくれて、ありがとう」と感謝の言葉をつづっていた。