サザンオールスターズ桑田佳祐(55)が、東日本大震災で被災した宮城県で、ライブを行うことが13日、分かった。震災発生から半年となる9月10、11日に利府町のセキスイハイムスーパーアリーナで「宮城ライブ~明日へのマーチ!!~」と銘打った公演を行う。

 桑田は震災直後から、同じ所属事務所のアーティストに声をかけ、チャリティーソング「Let’s

 try

 again」の制作に取りかかった。5月28日には、レギュラー出演しているラジオ番組を仙台から生放送。妻の原由子と、津波で大きな被害を受けた宮城県名取市閖上(ゆりあげ)の現状を目の当たりにしたこともあり、オンエアで桑田は「東北でライブをやりたい」と熱い思いを話していた。スタッフと「今、できること、やるべきことは何か」と検討を重ね、宮城で心を込めて歌う結論に達したという。

 会場は震災後に遺体安置所として使用されていた場所だ。昨秋に予定されていた全国ツアーでも開催スケジュールに入っていたが、昨年7月に食道がんが発見され、同8月に手術を受けたため、キャンセルとなった。その経緯もあり、今回のライブには、闘病中も声援を送ってくれた全国のファンへの恩返しの意味も込められている。桑田にとっては仕事復帰後、初めてのライブになる。

 会場は近日中に震災で破損した部分の補修工事に入り、8月31日から一般使用が再開予定。再開後初のライブを桑田が行うことにもなり、関係者は「今回の災禍の教訓を忘れることなく、厳かな気持ちを持ちつつも前向きな1歩をみんなで踏み出して行けるような明るく楽しいライブにしたい」と話す。桑田は8月17日には、トリプルA面シングルを発売。ライブでも、東北をイメージした「明日へのマーチ」や、チャリティーソングのオリジナルバージョン「Let’s

 try

 again」を熱く歌ってくれそうだ。【桑田佳祐コメント】

 このたび、宮城でライブを行うことを決めました。未曽有の震災を前にして、“音楽”にどれほどの力があるのか悩んだ時もありました。けれど、自分にできることはやっぱり音楽しかありません。昨年のふとした病の間にもたくさんの応援をいただき、私自身すごく勇気づけられました。今度は私からの恩返しの気持ちを込めて、東北の地に歌を届けたいと思います。