19日に肺炎のため亡くなった俳優原田芳雄さん(享年71)の遺体が安置されている都内の自宅では20日、午前中から、親族や映画関係者、若手俳優らスタッフが葬儀の準備に追われた。

 関係者は「葬儀は原田芳雄らしいものをやります」と話し、原田さんの出演作品などの写真を多数飾る予定だという。自宅からは、74年の映画「竜馬暗殺」で撮影された、竜馬姿の原田さんの特大パネルが葬儀場に運び出された。一般のファンも参列できるよう、献花台も用意されるという。

 午後には、前日に続いて、親交のあった俳優仲間らが次々に弔問に訪れた。笑福亭鶴瓶、高橋克典、地井武男、小野武彦、村井国夫らが、急すぎる別れを惜しんだ。

 前日はショックが大きすぎるとコメントできなかった、原田さんの遺作「大鹿村騒動記」の阪本順治監督(52)がこの日、哀悼のコメントを発表した。「主役である以上に、座長であった芳雄さんは、その責任を全うして逝かれました。耐えに耐えて、痛みに涙をこらえて。もう僕は“壮絶”という言葉を軽々しく脚本に書くことはないでしょう」とつづり、「芳雄さんの精神は、誰も引き継げないと、失って初めて気付きました。次なる原田芳雄はどこにもいません。この喪失感に、いま打ちのめされています。芳雄さん、安らかに。最期まで、カッコよかったです」と締めくくった。