人気タレント島田紳助(55)が23日、“黒い交際”を理由に芸能界を引退した。この日夜、東京・新宿の吉本興業東京本部で記者会見を行い、自ら発表した。

 会見をテレビで見てホントのところがよく分からないけれど、第一線のタレントだから要求されるものが厳しい。謹慎なり、契約解除なりほかの方法があったかもしれないが、会社への貢献度も高い人だから、本人の申し出を受けたんだろう。紳助くんが言うように、厳しい道を選んだなと思う。漫才ブームの起きた80年以降、ビートたけしさんや明石家さんまさんと約30年引っ張ってきたその一角が崩れるのは寂しいけれど致し方ない。必ず埋める人間が出てくる。

 ただ、会見でしゃべりすぎているのが気になった。動揺しているのかなと思う。さとられたくないのか、彼の小心さが表れている。そこが横山やすしさんとの違いだね。普段の彼はデリカシーのある神経の細やかな人。いつしか彼もトップクラスになって、諫言(かんげん=忠告)する人が少なくなってたんだね。そういう意味の不幸はあるかもしれない。昔は縦の序列があって、売れていようが、叱ってくれる師匠がいた。今はそういう人がいなくなって、彼の年代が上になってしまったから。

 でも、彼も55歳。いい大人だから、慎重さがあってもよかった。昔なら定年だし、こんな形だけどほかの道を選ぶのは男としてありかもしれない。彼は才能がある人だし、ビジネスセンスも企画力もある。本を書いても、映画を作っても、何でも出来ると思う。裏のスタッフとして才能を発揮できる場所はあると思う。(元吉本興業常務、現フリープロデューサー木村政雄氏)