70年代の歌謡界に一時代を築いた森昌子、桜田淳子、山口百恵の“花の高3トリオ”が初DVD化されることになり30日、ソニーミュージックが発表した。唯一の共演映画「初恋時代」(75年)と、77年に日本武道館で行った卒業式コンサートをパッケージした。芸者姿で踊るシーンや、肩を抱き合って泣くラストステージなど、伝説の名場面が34年ぶりによみがえっている。

 花の高3トリオは、オーディション番組「スター誕生」(日本テレビ)で歌手デビューした森昌子、桜田淳子、山口百恵の3人娘の呼び名として親しまれた。中学3年当時の73年に「花の中3トリオ」と命名され、高3までの4年間にわたり進級ごとに呼び名が変わった。今回メモリアルボックスに収録されるのは、3人が共演した唯一の映画「花の高2トリオ

 初恋時代」と、卒業式コンサートのドキュメンタリー映画「出発(たびだち)」の2作品。今日31日から、ソニーミュージックショップでネット販売される。

 「初恋時代」は、夏休みに東京にやってきた3人の女子高生がボート部主将と熱気球を飛ばす青春物語。水着モデル、芸者、ちんどん屋さんなどのアルバイトに励むコスプレも披露している。

 一方の卒業式コンサート「出発」は、人気絶頂の花の高3トリオが77年3月27日に日本武道館で行ったステージを収録した。全22曲の収録で、ワンマンショーではそれぞれが「せんせい」「わたしの青い鳥」「ひと夏の経験」などのヒット曲を披露している。主演映画の共演者をステージに招くコーナーもあり、百恵の場面では俳優三浦友和が花束を持って登壇。まだ交際宣言前だが、映画界を席巻した百恵・友和コンビのツーショットも収められている。

 発売元のホリプロが、過去の映像素材をデジタルアーカイブ化する中で、花の高3トリオの素材を見つけた。百恵と淳子は芸能界を引退して主婦となり、昌子は歌手活動を展開中。映像化にあたり、ホリプロが3人に企画を報告すると、いずれも二つ返事で快諾したという。ホリプロでは「中3トリオから高3トリオまでの4年間の貴重な映像を次の世代に残したい」と話している。