歌手ふくい舞(26)が10日、東京・赤坂のTBSで行われた第44回日本有線大賞の大賞に選ばれた。有線放送「J-POPリクエストランキング」で今年の上半期リクエスト数1位に輝いた「いくたびの櫻」で受賞した。日本有線大賞は08年の新人賞に続く2度目の受賞。「後世まで歌い継がれる歌として、大切に届けていきたい」と話した。

 大賞受賞に感極まった。3連覇を狙う氷川きよし、大ブレーク中のAKB48など有線音楽優秀賞8組の中から選ばれた。“風に舞う桜”をイメージさせるピンクの衣装のふくいは「リクエストしていただいた全ての皆様に心より感謝いたします」と謙虚に話した。

 昨夏に「いくたびの櫻」と出合ったとき、進路が決まらない自身と親友の2人が、不安な気持ちで迎えた高校の卒業式に見た桜を思い出したという。その親友はデビュー直前に亡くなった。「(親友と)一緒に過ごした時間は人生の強い支えになっている」。

 今年は、日本有線大賞に加え、日本レコード大賞作詩賞、日本作詩大賞も受賞した。今年最も心に残る曲の1つとなった。ふくいは「来年も再来年もこの歌を大切に届けていきたい」と誓った。【山田準】