やっと気持ちよく歌えるようになった。デビュー25周年を迎えた歌手森川由加里(48)がこのほど、87年に大ヒットしたシングル「SHOW

 ME」の新アレンジ版を収録した記念CD「Cuarto」を発表した。日本を代表するギタリストCharらトップミュージシャンをレコーディングに招き、「SHOW

 ME」が生まれ変わった。

 「正直この曲を歌うことが嫌になっていた時期がありました。またこれを歌うの?

 という気持ちが表情に出てしまうことがよくありました」。ステージに立てば歌唱リストに必ず用意される。テレビ出演すれば必ず歌う。「求められることはすばらしいこと。でも私だってほかの曲をもっと歌いたい。そういう気持ちと葛藤していました」。

 大ヒットの呪縛に苦しむ時期が続いたが、メモリアルイヤーを迎えて新アレンジに触れて、気持ちが一変した。「こんなに深い歌、格好いい歌だったのかと再認識させられました」。記念盤では志願してボーカルの再録音も行った。「音楽活動を続けてきたからこそ味わえた気持ち。長くやっていれば、こういうこともあるんだと」。

 音楽活動と並行して舞台出演も続けてきた。何度も共演してきた中尾ミエ(65)に「もう25年ですよ」と伝えると、「あ、そう。私は50年だけどね」と表情も変えずに返された。「自分なんてまだまだ。あと半分あるってこと。やりたいこともたくさんあります」。

 折り返し地点で「代名詞」にほれ直し、音楽活動に新たな気持ちで向き合うことができた。新生・森川のスタートだ。