輝きは、増すばかりだ。小泉今日子(46)が3月21日、デビュー30周年を迎える。アイドルの殻を破り、さまざまなブームを巻き起こしてきた。近年は女優として高い評価を得て、印象的な演技を見せてきた。メモリアルイヤーを迎え、年始から主演ドラマがスタートし、歌手として記念ベストアルバムの発売も決まった。円熟期に入ったキョンキョンに「今」を聞いた。
インタビューは、フジテレビ系連続ドラマ「最後から二番目の恋」(木曜午後10時)の収録の合間に行った。節目を迎えた心境を聞くと、気負いなく過ごす自然体の「今」があった。
小泉
いつも目の前のこと、日々の生活にしか興味がなかったので、30周年と言われても、特別思い出すこともないんです。ただ、ここまでやってこられたのは、私を豊かにしてくれた人がいっぱいいたからだなぁって、改めて感謝する機会ではありますよね。
ドラマでは、神奈川・鎌倉でスローライフを送るテレビ局のドラマプロデューサーを演じている。45歳独身という設定だ。20代の若手脚本家に年齢ギャップを笑われる場面も登場する。
小泉
実はお芝居の仕事って、子役からおばあさん役の方まで、みんなで同じ舞台に立たなきゃいけないので、こういうジェネレーションギャップは、よく分からないんです。役柄が同じ芸能界なので、実体験も込められているのかなって(視聴者に)思ってもらえているなら、しめしめですけれど(笑い)。
視聴者の反響は上々だ。共演の中井貴一(50)との掛け合いが見どころとして話題になっている。共演は16年ぶりだ。
小泉
ずっと共演してなくても、同じ監督さんや誰かに重要なことを教わってきていたんですね。同じ時代を生きてきた、通ってきた道が遠くはなかったんだなって、感じます。あうんの呼吸っていうんでしょうか。幸せなことに、そういう人は、永瀬(正敏)もそうだし、数人います。
前しか見ない小泉にとって、“同志たち”の存在こそが、30年の歳月を感じられる、大きな要素なのかもしれない。
小泉
今回の現場は、平均年齢が高いんですが、自分たちが経験してきたことを発揮できていると思うんです。みんな、きちんと役を捉えて演じて、スタッフもそれぞれのパートで仕事をしている。時々、視聴者の方々に「見ていて安心できる」と言われる。ベテランやプロでしかできない仕事を、きちんとしている結果だとしたら、うれしいことです。
最近は女優として活躍を続けるが、音楽活動でもファンを喜ばせるプレゼントを用意した。記念アルバム「Kyon30~なんてったって30年~」(3月21日発売)は、著名人30人が選曲した異色のベスト盤。自分を周囲がどのように見てきたのかを感じられるため、小泉自身が楽しみにしているという。
小泉
最近歌手活動していないと思われがちですけれど、細々とライブしています(笑い)。応援し続けてくれている人たちへ、自分なりの応え方なんです。
芸能界では20歳以上も年下の友人も増えた。バイタリティーあふれる小泉を慕う後輩は多いと聞く。
小泉
「キョンキョン、遊ばない?」って言われてて、先輩なんかじゃなく友達関係です。アドバイス?
したことなんてないですよ。「もっと今日子、堂々とやんなよ」って、逆に背中を押されてるんです(笑い)。
キャリアにこだわらない交友の広さと深さ。真骨頂が垣間見える。
小泉
今の20代の人たちは、しっかりしていて、私も刺激になります。これからの私は、みんなに付いて行かなきゃ。とにかくプロとして目の前の仕事をきちんとやっていくことだけです。今までもこれからも。
地に足をつけて仕事してきた背中が後輩たちにまぶしく映るのは当然だ。価値観が多様化してきた時代。ブレず、揺るがず、自分を確立してきた小泉今日子は、希少で、お手本の存在なのだろう。【瀬津真也】<小泉今日子の道>
◆デビュー
81年オーディション番組「スター誕生!」に合格。82年3月21日「私の16才」で歌手デビュー。中森明菜、シブがき隊、堀ちえみ、三田寛子、石川秀美、松本伊代、早見優らと「花の82年組」と呼ばれた。
◆個性派アイドル
髪形を刈り上げたり、自分のことを「コイズミ」と名字で呼び、85年シングル「なんてったってアイドル」では「アイドル」を堂々と自称するなど、それまでの女性アイドルになかった常識破りの行動でファンを楽しませた。アイドル時代に大胆なセミヌードカレンダーにも挑戦。95年の永瀬正敏との結婚前の「女拓」も話題になった。
◆歌手
シングル40曲、アルバム52枚を発表。「あなたに会えてよかった」などヒット曲多数。
◆女優
83年ドラマ「あんみつ姫」で初主演。「愛しあってるかい!」「恋を何年休んでますか」など話題ドラマに出演。98年映画「踊る大捜査線」で悪役に挑戦。01年映画「風花」で日本アカデミー主演女優賞、05年映画「空中庭園」でブルーリボン賞主演女優賞、日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を獲得。
◆読書家
05年に読売新聞の読書委員に選ばれる。




