23日に肺炎で亡くなった人間国宝の歌舞伎俳優中村雀右衛門さん(享年91)の通夜が28日、東京・青山葬儀所で行われ、坂田藤十郎、市川猿之助、尾上菊五郎、中村吉右衛門、市川団十郎、坂東三津五郎、富司純子、小林麻央ら約600人が参列した。

 スズメが羽ばたく姿をイメージし、白ばらなどで飾られた祭壇には、04年の文化勲章受章時に撮影された遺影と文化勲章、勲3等瑞宝章、「助六」の揚げ巻きの打ち掛け衣装が置かれ、ひつぎには扇、当たり役の「葛の葉」台本、書き抜きなどが納められた。戒名は「清涯院殿梨堂端麗居士」。

 中村橋之助は「優しい方で、声を荒らげた姿を見たことがなかった。来年、新しい歌舞伎座が開場する前に、富十郎のおじさん、うちの父(中村芝翫)、雀右衛門のおじさんが亡くなり、僕らが頑張らないといけないと思います」と話した。