ジャニーズ事務所のタレントが呼び掛けた大規模募金活動が11日、東京ドームで開催された。東日本大震災復興支援プロジェクト「Marching

 J」の最後の募金活動となり、計17万3000人のファンが駆け付け、終了まで12時間を要した。この日は1年間の募金総額と寄付先が発表され、今月9日までの総額は計8億2655万3991円となった。全額を被災した子供たちに寄付する。

 震災発生時刻の午後2時46分。会場は水を打ったように静まりかえった。「Marching

 J」最後の募金活動に参加したタレントはジャニーズJrを含め約180人。近藤真彦(47)を筆頭に大半がステージに並び、ファン約3万人と黙とうをささげた。近藤は「いろいろなことを思い出しちゃって。グッときちゃった」と涙を浮かべた。

 プロジェクトを通じて1年間、募金を呼び掛けてきた。この日初めて募金額や寄付先などを公表。全額を被災3県(岩手、宮城、福島)にある「いわての学び希望基金」「東日本大震災みやぎこども育英基金」「東日本大震災ふくしまこども寄附金」に寄付する。

 プロジェクトでは被災地の子供たちのため、パンダ招致も目指しているが、募金は招致に使用しないと明言した。プロジェクト代表の近藤は「募金はすべて困っている人たちに責任を持って届けます。パンダに関する費用に1円も使いません」。招致は事務所と関連会社10社以上でパンダレンタル5年間の諸経費を全額負担する方針。経費は10億~30億円を見積もっている。

 この日、募金を開始した午前10時には、すでに4万6000人が集まっていた。宮城県から夜行バスで駆けつけた女子高生(17)は「今日は地元に残った方がいいと思いましたが、被災地のためにできることをと思って」と話した。

 ファンが募金まで要した時間は平均3~4時間。アリーナ席に向かうまではスタンド席で待機。午後6時に入場を終了したが、最後の募金者は午後10時を超えた。終盤はSMAPを中心に、ヒット曲「世界に一つだけの花」「オリジナルスマイル」を参加タレント全員がカラオケで合唱するなど、ファンを楽しませた。

 近藤は「プロジェクトは1歩も休まず、前進していきます。『Marching

 J』が東北にできることがあれば、必ず力になりたいと思っています」。募金活動は終了するが、復興支援の継続を誓った。

 ▼Marching

 J

 ジャニーズ事務所が東日本大震災復興支援を目的に立ち上げたプロジェクト。(1)物資支援(2)募金活動(3)パンダ誘致(予定)を行う。(1)は大震災発生1週間後から開始。被災地に電源車、ガソリン、飲料水や食料品、生活用品などを提供。(2)は昨年4月1~3日まで東京・代々木第1体育館で行った募金活動から開始。タレントは原則全員参加。3日間でファン計38万9000人が募金に訪れた。(3)は昨年12月、近藤真彦が首相官邸を訪れ誘致に協力を要請。野田首相が中国・温家宝首相との会談でパンダ貸与を要請。温家宝首相は「積極的に検討したい」。

 ▼主な参加タレント

 近藤真彦、少年隊(東山紀之)、岡本健一、佐藤アツヒロ、SMAP、KinKi

 Kids(堂本剛)、V6(長野博、森田剛、三宅健、岡田准一)、タッキー&翼、NEWS(加藤シゲアキ、増田貴久)、山下智久、KAT-TUN(田口淳之介、田中聖、上田竜也)、Hey!Say!JUMP、NYC(中山優馬)、Kis-My-Ft2、Sexy

 Zone、A.B.C-Z、佐野瑞樹、屋良朝幸、風間俊介、長谷川純。TOKIO、嵐、関ジャニ∞はスケジュールの都合で来場できず、VTR出演した。