大みそかのNHK第63回紅白歌合戦(午後7時15分開始)の出場歌手紅白50組が26日、東京・渋谷の同局で発表された。お家騒動で注目された常連、小林幸子(58)は落選した。

 小林の34回連続出場はならなかった。大みそかのスケジュールを空けて吉報を待ったが希望は絶たれた。NHKは落選理由として、前事務所社長の退社に端を発したお家騒動の影響はないと否定したが、結果的に新曲発売がずれ込むなど、少なからず影響した格好。関係者によれば強いショックを受けているという。

 小林はこの日、川崎市内のスタジオで行われたバラエティー番組の収録に参加していた。関係者から落選の一報を聞くと、所属事務所を通じて「とても残念ですが、何があっても前に進み続けていきます」とコメントした。79年に「おもいで酒」で初出場してから昨年まで歌と豪華衣装で楽しませてきたが、今年はその姿を見ることはできない。

 前事務所の社長ら女性役員2人が、3月いっぱいで退社したことが騒動のきっかけだった。33年間連れ添い、紅白の連続出場を支えたスタッフとの確執は、義理人情を重んじる芸能界だけでなく、世間一般にも印象は決して良くなかった。

 17年間所属した日本コロムビアとのアーティスト契約を8月に解除。9月に自ら社長として新事務所を立ち上げ、自主レーベルから新曲「茨(いばら)の木」を10月に発売したが、初週売り上げは1890枚。最後のアピールチャンスも不発に終わった。

 NHK古谷太郎エンターテインメント番組部長は「事務所内のこと」と騒動との関連を否定したが「しいて言えば、新曲発売が遅れたのが多少影響したかな」と話した。見せ場の1つだった豪華衣装が消えることには、「豪華衣装をやるために出てもらっていたわけではない」と答えた。

 小林の関係者は「可能性を信じていただけに、ショックを受けている」。大みそかに放送されるテレビ東京系「年忘れにっぽんの歌」への出演もうわさされるが、可能性は低いという。