タレントのデヴィ夫人(73)から番組収録中に平手打ちされる暴行を受けたとして、一般の出演女性が今月、警視庁に被害届を出していたことが20日、分かった。番組は今月15日に放送されたTBS系バラエティー番組「奥様はモンスター2」。番組ではこのシーンは放送されなかった。外部制作の番組で、制作会社は被害届が提出されたことを確認しており、「弁護士に一任している」としている。女性から被害届が出ており、警視庁がデヴィ夫人に事情を聴く可能性もある。

 デヴィ夫人のあまりの怒り方に、スタジオ内は異様な雰囲気となり、スタッフは騒然となったという。収録時にスタジオ内にいた関係者によると、デヴィ夫人の激怒の度合いは「明らかに台本の内容を逸脱したような怒り方で、スタジオ中がどん引きするくらいだった」という。

 番組は制作会社が今月、都内のスタジオで収録。女性は出演者の1人として収録に参加した。スタジオ内でトークをする際、デヴィ夫人とトラブルになり、3度、頰に平手打ちを受けたという。

 デヴィ夫人の所属事務所は20日夜の時点で電話への応答がなかった。

 制作会社は「女性が被害届を出しているのは、社として把握している。推移を見守りたい。この問題については、弁護士に一任している」とした。女性にデヴィ夫人を挑発したり、怒らせたりするような「演出」があったのかどうかは、「今後のこともあるのでコメントは差し控えたい」。トラブルの詳細な経緯などについては明らかにしなかった。

 女性にけがはなかったとみられ、警視庁は暴行容疑で捜査している。場合によっては、デヴィ夫人を含めた関係者から、事実関係について事情を聴く可能性もある。

 放送したTBSの広報は「当事者同士の発生事案なので、今後どう対応していくか、スタンスは決めていない。実際に収録の時に何があったのか、女性が被害届を出したのかどうかは、把握していない」と話している。

 同番組は水曜日の2時間スペシャル番組「水トク!」の枠で放送され、昨年10月に続き、2回目の放送だった。視聴者から寄せられた問題行動のある「モンスター奥さま」の話を再現VTRにまとめ、スタジオのタレントがさまざまな意見を言い合うほか、テーマに沿った問題行動の経験のある一般女性もスタジオに出演。タレントとトークを展開する内容だった。トラブルがあったためか、番組終盤には、スタジオにデヴィ夫人の姿はなかった。