<連載「気になリスト」(59)>

 美貌に似合わぬ歯に衣(きぬ)着せぬ発言…モデル中村アン(26)の持つギャップが受けている。競争が激しいバラエティー番組の出演枠。モデルの活動をしながら、そのチャンスが巡ってきた。13年6月4日放送のTBS系「有田のヤラシイ人々」だった。

 「バラエティーは自分とは遠いところだと思っていましたが、モデルとして知名度もなくすべてが中途半端で、何か残せたら、切り開けるんじゃないかという思いがありました。なので、テレビの影響力も分からないまま、心の声をそのまま言ってました」

 言葉通り、「(芸能界の)空いた席を狙う」などの発言が反響を呼び、次々と声が掛かるようになった。

 つかんだチャンスを逃すまいと、努力も欠かさなかった。必ず家にいるときはテレビをつけて、研究するようになった。より集中するために、昨夏には1人暮らしも始めた。

 「『あの子、必死だよね』と言われても、普通に座ってるだけでは次に呼ばれない。必死にならなきゃいけないというか、自然とそうなりました。毎回何かを残そうと思っています」

 高校、大学はチアリーディング部で、ともに全国大会出場。大学2年時に友人に誘われて出たモデルオーディションでグランプリを獲得も、芸能界入りせず、3年の秋からは普通の学生同様に就職活動をした。一方、芸能事務所の研究も始め、熟考の末に「人生は1度きり。可能性を感じて」と、声を掛けてくれていた現在の事務所に入った。なかなか芽が出ず、友人が社会で活躍する姿を見て、芸能界を諦めそうになったこともあったが、「3年は頑張ろう」と耐えた末に、ブレークした。

 「とにかく必死でした」と突っ走った13年。勢いを止めるつもりはない。

 「動画と静止画ではまったく違って、そのギャップにドキッとするようなカメレオンのような人が目標。何回も番組に呼ばれたり、お母さんになってもモデルを続けられるとか、リピートされるようになりたいですね」【大友陽平】

 ◆中村(なかむら)アン

 1987年(昭62)9月17日、東京都生まれ。東洋英和女学院大卒。高校、大学時はチアリーディング部に所属。09年に芸能界デビュー。雑誌「andGIRL」レギュラーモデルで、3月21日には「東京ランウェイ2014

 S/S」(東京・代々木第1体育館)に出演。163センチ。血液型AB。